2024/12/05

在宅医療で求められているのは医療的ケアだけではありません

小児在宅医療サービスを利用している子どもたちの中で、在宅人工呼吸管理化にあるものは医療依存度が最も高く、その多くは気管切開を行い、気管カニューレを使用しています。気管切開や気管カニューレの管理上、合併症などが起こり得ることも念頭に置き、看護ケアを提供していくことが需要です。
たとえば、カニューレの固定不良やずれにより、カニューレによる気管粘膜損傷やカニューレの事故抜去などが起こる可能性があります。また、痰や分泌物による気管カニューレの閉塞や粘膜、肉芽があたって閉塞する危険性にも注意が必要です。加えて、気管切開孔狭窄や感染、声帯や咽頭の機能不全が起こる可能性もあります。

そして、親は子どもが気管切開をすると声が出なくなるため、気管切開する時期をせめて言葉を獲得する3歳ごろまで引き延ばそうとする傾向があります。しかし、子どもの気管カニューレでは、気管膣が狭いためカフのないタイプを使用することが多いです。そのため、病態によってはカフのないカニューレであれば気管切開による人工呼吸管理化にあっても声を出し会話をすることができます。
慢性の呼吸管理では、呼吸をサポートする技術である気道分泌物の移動と、クリアランスを家族に指導することが看護師の重要な役目です。咳を促す技術には、徒手による咳介助や器械を用いた咳介助があります。咳介助の目的以外に、器械の陽圧換気で深呼吸を行うことは、肺と胸部の柔軟性を保ち、特に乳幼児の場合、肺と胸部の正常な発達のための日常的なリハビリテーションとしても効果があるものです。安全により効果的に用いるためには、子どもの心の準備を促すプレパレーションも含め、家族への指導が看護師の大切な役割になります。